第5回 

 今回は、プログラムに載っていた「賭け方」の説明にある興味深い項目を説明しよう。

 まずは、先週のお約束の控除率( Takeout Rates )をご紹介しておこう。これは馬券の種類毎に異なっている。

WPS         :15%
EX 、QU 、DD     :20%
P3 、P6 、TRI 、SUPER:25%

 馬券の種類:
   WPS は Win Place Show
   EX は Exacta
   QU は Quinella
   DD は Daily Double
   P3 は Pick3
   P6 は Pick6
   TRI は Trifecta
   Super は Superfecta

 控除率が種類によってこんなに違っているとは知らなかった。そう言えば日本の中央競馬でも現在の単複は、確か特別給付金という名前で控除率が下げられていたはずだ。

  Pick3 の詳しい説明を読むと、3レース的中者がいない場合には、その次に的中した人(通常は2レース当たった人)に払い戻すことになっている。

 これが Pick6 になると、6レース的中した場合には、当日売り上げから25%控除した払い戻しプール金額(つまり売り上げの75%)のさらに75%が配当にあてられ、これと前日までの繰越金の合計が当選枚数によって払い戻される。
 もちろん的中がなければこの合計金額が翌日に持ち越される。当日プールされた金額の内の残りの25%分は5レースまたはそれ以下のその日の最高的中者に払い戻されるので、4レース位当たった場合はチャンスが無くもないということになる。

 これは知らなかったのだが、いわゆるコロガシ馬券も売っているそうだ。名前を Parlay Wager という。説明によると、任意の2レースから最高6レースまでの組み合わせで、WPS を組み合わせて買う。
 これは Parlay Slip でのみ買うことが出来る。例えていえば、1レースの Win と3レース の Show と 7レースの Place なんてこともできるようだ。今度やってみよう。

 アメリカのプログラムには ML と称してすでに発売前の Win のオッズが載っている。 Morning Line の略で、主催者側(プログラム作成者)がそのレースでどの馬がどの程度の人気になりそうかを予め示したものである。
 もちろんこれは実際のオッズとは異なるが、詳しく検討している暇が無いときには便利なものである。
 日本では専門紙などで独自の予想オッズを出していて、あれと同じようなものだが、アメリカではほぼ全員が同じ ML を見ている訳で、影響力は相当違うように思う。
 なお、これをくどくどと説明しているのは、ブックメーカーのように確定オッズで馬券を発売していると思う人がいるからだろう。以前は良く、 Pari-Mutuel 方式だと一言で書いてあったのだがこのプログラムには書いていない。

 今回の最後は、 IRS 窓口の話。IRS とは Internal Revenue Service の略で、国内歳入庁と訳すらしいが、ようするに国税庁のことである。
 600ドル以上(300倍以上)の時には所定のフォームに書き込まなければならないと書いてある。そして、5,000ドル以上では源泉分が差し引かれて支払われる。フォームが IRS に届けられるので、各人は翌年の確定申告で雑収入として申告しなければならない。(必要経費がどこまで認められるかはここには書かれていない)

 当該馬券は、IRS と書かれた窓口でしか払い戻しを受け付けず、しかも写真入りの身分証明書が必要である。
 私自身は、今迄にこの窓口に並んだ経験は2回ある。1度は何年か前の Meadowlands Cup の Trifecta を1ドル取ったが、これが750倍だった。もう一度は、昨年のブリーダーズ・カップの最終レース、クラシックで大穴となったが、自分ではなく日本から来た友人が600ドルの払い戻しの為に一緒に並んだ。

 日本人の場合、写真入りの身分証明書となるとパスポートになり、アメリカ国内に居住していないと、5,000ドル以下でも源泉を20%取られた。
 随分と時間が掛かって、小1時間も並んでいたが、なにしろ皆大穴当てたので嬉しそう。だれも文句を言わず、かえってお宅は何?3ミリオンの Puck6 じゃないよね、などと話し合っていた。そう、あの時の Pick6 は当たりが2枚だけで、払い戻しは3百万ドル(約3億円)だった。

 というわけで、来週こそは、いよいよ第1レースの検討に入る予定にしている。