第9回 

(ベルモントパークでの1日続き)

 第8レースは本日のメインレース、第43回の The Bowling Green (G II ・芝1マイル 3/8 ;約 2,200m )である。
  3-Years-old 以上(現在の日本で言う4歳以上)ハンデ戦で、賞金は15万ドル。だがこれは総額で、1着はその60%すなわち9万ドル(1ドル105円として945万円)、以下2着20%(3万ドル)3着11%(16、500ドル)4着6%(9、000ドル)5着3%(4、500ドル)。
 これに対して予備登録の段階で150ドル、出馬投票段階で750ドル、出走に750ドルの登録料が掛かる。予備登録は28頭で、出馬登録が9頭、出走も9頭となった。

 主催者はこれがメイントラック(すなわちダート)変更する権利を留保し、仮に変更になった場合には、委員会に諮られてグレードが下げられることもある。
  Steward (この日の馬場状態その他を管理する責任者)が、ダート変更が妥当と判断したときはダートの1マイル 3/8 で行なうという注釈が入っている。
 でさらに、このレースは Wider Turf (すなわち外回りコース、芝は内回りと両方ある)コースで行なわれるというので、さすがにコンディションの良いコースはメイン用に取っておき、一般戦には使わせないのかと思ったら、それは単なる勘違いで、マイル戦などはコースの形状もあって常に外回りコースを使っていた。何度も見ている割りには肝心なことに気がついていなかったと反省。

 それでは出馬表、馬番・馬名(カッコ内は外国産の場合の国名)・負担重量ポンド表示(カッコ内 KG 換算値)・騎手・MLの順

1.Incitatus(BAR)・116(52.6)・ S Callaghan ・ 5−1
2.Yankee Dollar ・110(49.9)・ J Chavez ・ 8−1
3.Elhayq(IRE) ・113(51.3) ・ S Bridgmohan ・ 6−1
4.Epistolaire(IRE) ・114(51.7) ・ J Santos ・ 3−1
5.The Kaiser ・111(50.3) ・ M Luzzi ・ 20−1
6.Special Coach ・113(51.3) ・ E Prado ・ 12−1
7.Drama Critic ・116(52.6) ・ M Smith ・ 5−2
8.Carpentor's Halo ・115(52.2) ・ J Velazquez ・ 5−1
9.Ssssosa ・110(49.9) ・ R Rojas ・ 20−1

 ハンデ戦とはいえ、上下それほどの大きな開きはない。なお、プログラムにはダート変更になった場合の負担重量も記載されているが、ここではうるさいので省略した。微妙に重量が違っていてそれはそれで興味深いものがある。なお、外国産馬の国籍の内、IRE はアイルランドだが BAR は分からなかったので自宅に帰ってから確認したところ、どうも Barbados (バルバドス、カリブ海の小国)らしい。

 さて各馬についてのコメントを簡単に書いておくと、

  Incitatus ( h 7yo 父 Nosferatu 母 Balage by Horage ) はこの所ずうっとカナダのウッドバインで走って来て、今年は5月に戦列復帰し、3戦目の前走カナダのG2を勝って来た。要注意。

  Yankee Dollar ( c 4yo 父 Red Ransom 母 Lorient by Fappiano ) は、まだ6戦目と戦歴も浅いが、芝では5戦3勝で前走ベルモントのアロウアンスを勝っており、いわゆる上がり馬。狙い目。

  Elhayq ( h 5yo 父 Nashwan 母 Mahasin by Danzig ) は、昨年まで英国で走り、今年の5月のアケダクトで北米デビュー。その時はよいところが無かったが、6月の2戦目のアロウアンスで、今日も6番に出ている逃げ馬の Special Coach の2番手から首だけ差しきり勝ち。今回が試金石というところ。

  Epistolaire ( h 5yo 父 Alzao 母 Epistolienne by Law Society ) は、これも昨年までフランスで走り、今年の2月にフロリダで北米デビュー。2戦入着のあと、5月のアケダクトのアロウアンスを勝ってここに出て来た。間を開けて使っているのは何か理由があるのか、人気だけに疑っておきたいところ。

  The Kaiser ( h 5yo 父 Tasso 母 Exceptional Jan by Give Me Strength ) は、今年3戦して3着1回。前走ニューハンプシャーのG3を使いに行って4着。ここで通用するかは疑問だが、その3着がここベルモントなので、連下なら。

  Special Coach ( c 4yo 父 Zafarrancho 母 Volitant by Distictive Pro ) は、今年6戦して2着2回だが、前走がすでに述べたベルモントでの首差だから、上手く逃げられれば面白い。

  Drama Critic ( c 4yo 父 Theatrical 母 Guiza by Golden Act ) は、今年6戦3勝2着2回。前走はチャーチルダウンズで追い込み届かずの4着だったが、それでも着差は2馬身余り。展開に多少注文はつくも、直線の長いベルモントは向いているか。名手 J Bailey が乗れないが、替わりは M Smith でありその面での不安は全く無い。

  Carpenter's Halo ( g 4yo 父 Sunny's Halo 母 Carpenter's Lace by Woodman ) は、今年3戦して1勝3着1回。前走はピムリコでのグレード外のステークスを勝って来た。先行タイプで、Special Coach や Elhayq などとの兼合いが鍵か。

  Ssssosa ( c 4yo 父 Local Talent 母 Askmysecretary by Secretariat ) は、今年4月に 11 ヵ月振りに復帰した後は順調に使われ、5戦1勝2着1回3着1回。前走はベルモントのアロウアンスで好位からそのまま粘っての2着。格下という感じは否めないが、どこまで粘れるか。

 結果をご存知の方もあるかもしれないが、さすがに3着まで覚えてはおられないだろう。
 とにかく、結果は来週にしておくが、さて、読者の皆さんだったら、これだけの情報で何を買われるだろうか? 売っている馬券は、WPS (単複)に Exacta (連単)と Trifecta (3連単)。
 近くアメリカに来て競馬をやろうとしている人は予行演習として、そうで無い人も「もきち」での秋の夜長の話題に、お一つどうぞ。