American Stud Book 2001(15)) - 規則(18)血統書無しの売却 - 規則(19)虚偽の実践 |
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18. 血統書無しの売却 A. 馬の所有者で、その馬をもはや競走にも繁殖にも使用しないと決めた者 は、「血統書無し」に、譲渡又は売却した旨の注釈を添えて、その日から 60 日以内に、出生登録証明書をジョッキークラブに返還すること。 注釈には、所有者(又は正規の代理人)が署名し、処分した日付も明記 のこと。 もしも所有者又は正規の代理人が、上記の手続き通りに、ただし譲渡又 は売却から 60 日を越えて提出した場合は、新しい所有者又は譲り受け者 は、同様に馬を「血統書無し」で購入又は譲り受けた旨の報告書をジョッ キークラブに提出のこと B. ジョッキークラブへの到着をもって、当該の出生登録証明書は無効とな る。 一度無効となった馬は、再度登録することは出来ないし、登録証明書の 再発行も出来ない C.「血統書無し」と明記していない、例えば「競走しない」といったよう な出生登録証明書への注釈は、出生登録証明書を無効にするものではない。 そのような注釈は落書きと見なされて、そのような落書き付きの血統登 録証明書のジョッキークラブ への提出は、血統登録証明書の訂正依頼と して、訂正済み血統登録証明書が発行される。 19. 虚偽の実践ジョッキークラブの監事は、事実・周囲の状況・自由な裁量 権といったことを踏まえて、妥当と思われる期間、以下に該当する特定の、 もしくは全てのスタッドブックの登録特権を否定することがある。 1. 名前、年齢、特徴、血統、DNA/ 血液型、適格性、その他あらゆる種 類のジョッキークラブに対する口頭・書面による情報・登録申請・連絡 に関して、故意に偽ったり、参加したり、偽りを補助又は教唆した人物 2. 馬の識別、名前、年齢、特徴、血統、DNA/ 血液型、その他あらゆる 種類のレースへの登録又は馬のレースにおける情報に関して、故意に偽 ったり、参加したり、偽りを補助又は教唆したとして、裁判所又は公式 の競技主催者が証拠を見つけたり断定した人物 3. 馬の識別、名前、年齢、特徴、血統、DNA/ 血液型、適格性、その他 あらゆる種類の情報を、故意に偽って他人に提供し、その人物をして誤 った情報でジョッキークラブに対する口頭・書面による情報・登録申請 ・連絡を行わしめた人物 4. 出生登録証明書、外国登録証明書、出生許可証、輸出許可証、その他 登録に関して、ジョッキークラブの発行するあらゆる種類の証明書又は 書類を、故意に変更した人物 5. 出生登録証明書、外国登録証明書、出生許可証、輸出許可証、その他 登録に関して、ジョッキークラブの発行するあらゆる種類の証明書又は 書類を、窃盗・偽造または模造したか、窃盗・偽造・模造であることを 知っていて故意に受取った人物 6. アメリカン・スタッドブックの規則・要件を故意に違反した人物 7. 裁判所またはそれに準ずる機関が、それが市民・犯罪・行政のどの裁 判・機関であるかに拘わらず、馬を虐待、殺生、遺棄、酷使、放置又は 悪用したことによって有罪とした人物。 この規則は、その事実が 1987 年 1 月 1 日以降判明した人物に摘要 される。 今回の部分は 95 年版との相違は、例によって DNA の部分だけである。 ここの部分は、存外面白いといっては語弊があるだろうか。「血統書無し wit hout pedigree」で売却または譲渡した時に、それ以外の文言は一切受け付けな い、というのはやや律義すぎるけれども、多分過去に色々揉めたのだろうから、 まあ分からなくはない。 しかし、それをわざわざ「落書き」とみなして再発行するといった、子供の意 地悪のような規則が書いてあると、かつて何があったのかと勘ぐりたくなる。そ れにしても、ある意味では「人間的」「感情的」な条文に相応しくない調子で書 かれているので、思わずニヤリとしてしまった。 嘘つきは許さん、という姿勢もそれに近いものがあるが、こちらはもう少し冷 静に条文が並んでいる。ここは馬の登録に関するところだから、馬主のライセン ス取得の時に良く書いてある「ブックメーカーに関与した者」という文言は見え ないが、かわって比較的新しいと思われる「馬を虐待した者」が入っている。 日本では、そもそもこれで有罪判決が出るのだろうか。良く分からないが、少な くとも米国では、こういうことが裁判になっているのは間違いないだろう、 そ して有罪になると、馬を登録することは難しい(絶対ダメとも書いていない)と いうことである。 |