第4回 


 いよいよ馬券の検討に入るが、まずは馬券( Wager )の種類について。

 単勝は Win と呼ぶ。
 複勝は日本式の3着までに入線すれば当たりになるものが Show と呼ばれ、もう1つ2着までというのがあり、これは Place と呼ばれる。
 この Place という言葉は、馬券だけでなくレースの結果などを書いた文章や実況でも良く聞かれる。その場合には馬券同様2着ということもあるが、3着(すなわち入賞)という意味で使われていることもあり、多くの場合 Placed 3rd などとして混乱を避けてはいるが、注意を要する。
 ちなみに、「掲示板に載る」という表現はあまり聞かれず、「賞金を稼いだ( earned money )」といった言い方が多い。
 賞金が5着まで出ることが多いからだが、必ずしも5着までとも限らないので、これもやや注意がいる。
 なお、全て確認したわけではないが、アメリカのほとんどの競馬場の着順表示は4着までの様である。

 馬券の話に戻ると、この Win Place Show の3つは良くセットになっており、 WPS といった省略形で表現されていることもしばしばある。あるいは、何も書いていない払い戻しの表示はこれである。
 このことは案外説明されていないので、いきなり出くわして戸惑う方もあるようだ。もし記録をご覧になったり、アメリカの競馬場に行かれることがあれば、覚えておかれると良い。
 テレビの実況の払い戻しも、1着ナニナニのあといきなり数字で、1着馬の WPS の金額(それも小数点を言わない数字)、2着馬の名前のあと PS の金額、3着馬の名前と S の金額、と一気に喋る。
 日本は単勝ナニナニ番幾ら、それから複勝に移ってそれぞれの馬番号と金額を読むが、このあたりの違いも面白いといえば面白い。

  WPS に続いてアメリカでポピュラーな馬券は連勝単式で、これは Exacta と呼ばれる。
  exact というのが「正確な」という意味だから、きちんと順番を当てるという意味が取れるであろう。
  WPS と Exacta は、よほどの少頭数でもない限り全レース売られている。よほどの少頭数という表現は、正確なことを知らないからだが、確か4頭立て位では Show は売らないが、 WP と Exacta は売っていたと思う。

 あとはこれらの変形になり、3連単が Trifecta で、本日のベルモントでは、2・4・5・7・8・9レースで売られる。最近では4連単も登場、 Superfectaと呼ばれているが、これは最終の9レースのみの発売される。

 連勝複式も最近は一部の競馬場で売られており、これは Quinella (「クィネラ」などと気取って言っても通じないので、「キネラ」とやぼったく言ったほうが良い)と呼ばれ、本日のベルモントでは2・4レースで発売される。

  Daily Double と呼ばれるのは、2レース連続の単勝を当てる馬券。
  Early Double と呼ばれるのが、1・2レースでの Daily Double 。
  Late Double と呼ばれるのが、最終とその1つ前のレースで、本日は8・9レースに行なわれる。

  Pick 6 というのは6レース連続して単勝を当てようという馬券 で、本日は、3レースから8レースまでの6レースが対象となっている。
 これは一日の内で的中者がいないと、どんどん翌日に繰り越されて行く。この日は残念ながら前日的中が出たので、繰り越し( carry over )は無し。

  Pick6 は難し過ぎるうえに、早々に負けてしまった人や、折角最初の3つまでは当たっているのにという人のために、 Pick3 が用意されている。本日のベルモントでは、3−5までの3レースと6−8の3レースの二つがある。
 競馬場によっては、Rolling Pick3 と称して、毎レース3レース分の Pick3(1レースだと1−3レースが対象、2レースは2−4レースが対象、以下繰り返し)を売っている所もある。

 今これを書くために、当日のプログラムを改めて詳しく眺めていたら、控除率やら税金その他の面白いことが色々書いてあるのを発見した。
  Pick6 で的中者がいない場合に、5レース的中者に払い戻す方法などもあったので、次回もこの辺をご紹介することにしよう。

 さて、一体何時になったら第1レースが始まるのやら...